世界各国のお葬式にまつわるしきたり、風習をご紹介するコラム。
今回はエジプトのお葬式についてご紹介します。
中東および北アフリカに位置する共和制国家、エジプト・アラブ共和国。
人口は約1億439万人、面積は約100万平方キロメートルで日本の約2.7倍と言われます。首都はカイロ、公用語はアラビア語で、通貨はエジプト・ポンド。
宗教は人口の約90%がイスラム教です。
エジプトでは、今から5000年ほど前のエジプト文明時代には、一部の富裕層がミイラやピラミッドをつくって死者を弔うしきたりがありました。
しかし紀元前30年にローマ帝国によってエジプト文明が滅ぼされ、その後イスラム化が進んだことから、現代ではエジプト国民の多くがイスラム教徒となっています。
エジプト ムハンマド・アリー・モスク
カイロにある大変有名なモスクです。
エジプトでは、亡くなってから24時間以内に故人を埋葬するという厳しいルールがあります。
そのため、お葬式は速やかに、シンプルに行うのが基本です。
ご遺体は自宅で湯灌され、香油で浄められます。その後、白や緑の布で巻かれて棺に納められ、
モスクに運び込まれます。
モスクで行われる葬式では、家族が参列者にお別れの挨拶をする場面はなく、
イマームと呼ばれる牧師のような方が礼拝を執り行います。
時間は30分程で、その後墓地に向かい、土葬を行います。
埋葬の間はイマームが人生のはかなさについての話をすることが多いそうです。
埋葬が終わると、参列者はご遺族と握手を交わして終了となります。
参列者の服装は黒色、または位色の服装が一般的です。
エジプト カイロにある死者の街の墓地
ご遺族はお葬式が終わってから約3日間、自宅で葬儀に参加できなかった人が挨拶に来るのを待ちます。
訪れた方にはブラックコーヒーを用意することが多いそうです。
エジプト カイロにある死者の街の霊廟
エジプトでは、早く埋葬することが亡くなった方に対する礼儀と考え、この速やかでシンプルなお葬式が引き継がれています。
大切な人に礼を尽くすエジプトのお葬式。
これからも末永く続くことを心から願います。