九州の最南部に位置する鹿児島県。
明治維新で活躍した西郷隆盛や大久保利通などの偉人が生まれ育った場所である鹿児島県には、シンボルともいえる活火山「桜島」や、日本初の世界自然遺産「屋久島」などたくさんの名所が存在する都市です。
今回は、そんな鹿児島県のお葬式の風習についてご紹介いたします。
葬儀会館より自宅葬が多い?!
鹿児島県では旧家が多く、葬儀会館よりご自宅でお葬式をあげられる方の方が多いそうです。
まず、故人様をお布団に安置すると、「じつの飯」と呼ばれるご飯をお供えするそうです。
「じつの飯」の「じつ」というのは、「直(じき)」に由来しており、亡くなった後すぐに炊くご飯ということからこう呼ばれているようです。
また、出棺前には「別れ飯」を親族で食べてから故人様を火葬場へ送り出す風習が残っております。※最近では火葬場で食事を取るため、省略する地域もございます。
通夜見舞いに「最中(もなか)」を持参する理由とは
通夜の際には、香典とは別に通夜見舞いを持参する場合があります。この通夜見舞いは、他県の通夜見舞いと同じくお菓子や果物を持参しますが、鹿児島県では「最中」を持参することも多いようです。
この最中(もなか)は、鹿児島弁のもうなか(もうない)からきており、これ以上のご不幸ごとはもうありませんようにとの願いが込められております。
出棺時の風習
出棺時には、棺を担ぐ親族が「いろ」と呼ばれる白い布を肩にかけて霊柩車へ乗せ、火葬場に向かいます。これは、故人様と同じ格好をし、「あの世へ旅立つ前までは、私たちも共に見送りますが、そこから先はお1人で旅立って下さい」という意味が込められているそうです。
カタチは違えど、故人様への想いをカタチにする風習が全国で今も根付いております。
それがどのような意味を持つのかを知ることで、人がもつ優しさの一端にふれることができます。このような風習が今後も引き継がれることを願っております。