北欧最大の国スウェーデン。日本より少し大きい国土で、東京23区くらいの人口です。福祉国家として社会保障制度が充実していることで知られ、幸福度ランキングの常に上位をキープしています。
そんなスウェーデンのお葬式もまた、独自のしきたりや風習があります
スウェーデンでは、火葬あるいは埋葬は死後2ヶ月以内に行う事と法律で決められているそうです。そこで、日本のように亡くなってからすぐにお通夜やお葬式をすることは少ないようです。新聞の「ドッズアノノンセン」と呼ばれる、故人の家族や友人が出す「逝去しました」というお知らせにお葬式の日程が記載されますが、逝去日から1ヶ月後にお葬式が予定される事も珍しくないそうです。
医師が死亡を確認すると、ご遺体は病院に搬送され、1ヶ月位は預かってもらえるそうです。これによりご遺族は、葬儀をいつ、どこでどんな風に行うか、誰を呼ぶかをゆっくり考えることができます。
お葬式は宗教にもよりますが、一般的に教会で神父がミサを行います。参加者全員が祈りを唱和し、最後に棺のまわりをみんなで取り囲みます。
1時間ほどのミサが終わると、参加者の多くは移動して軽食とお茶、場合によってはワインを飲みながら故人の思い出を語り合い、親睦を深めます。
このとき、例えば故人がアルツハイマーを患っておられたなら、ご遺族と参列者全員がアルツハイマーファンドに、ガンでお亡くなりになったなら、ガンの研究団体に寄付をするそうです。
こうした寄付をすることは、スウェーデンではとても一般的な風習だと言われています。遺族側が招待時に「もし香典を考えてくださっているなら○○という団体に寄付をしてください。」ということも多いそうです。
なお、スウェーデンの墓地は、市営あるいは教会に属していますが、スウェーデンの税金の一部には「墓地税」が含まれており、在住地での墓地が保証されているそうです。
以前は、「教会税」が義務づけられていたこともあり、神父の立ち会いによる教会でのお葬式も無料で保証されていたそうですが、教会税は昨今では任意で、支払っていない方も多いそうです。
また、首都ストックホルムには世界遺産に登録されている森の墓地「スクーグシュルコゴーデン」があり、世界中から観光客が訪れています。
福祉大国らしい、やさしさや気配りが印象的なスウェーデンのしきたり。
これからも長く続いていくことが望まれます。