世界各国のお葬式にまつわるしきたり、風習をご紹介するコラム。
今回は、古くから日本とのつながりが深いヨーロッパの国、ポルトガルのお葬式についてご紹介します。
ポルトガルは、南ヨーロッパのイベリア半島に位置する共和制国家で人口は約1,030万人、面積は日本の4分の1ほどの大きさです。
公用語はポルトガル語で、通貨はユーロ。宗教は、人口の97%がローマ・カトリックです。
ポルトガルのお葬式は比較的シンプルで、教会でミサを行うことが多いです。香典などのしきたりはなく、花を手向けるのが一般的だそうです。
ポルトガルでは、花は故人への別れと哀悼の気持ちを伝える大切な贈り物と考えられています。そこで、お葬式の際に花を手向けて、故人やそのご家族に敬意を表しているそうです。
花は花束やリースなど色々で、ホワイトローズやリリー、ガーベラなどが選ばれます。白を基調にしたものが多いですが、時には鮮やかなフラワーアレンジメントを持参することもあります。
服装は暗い色の服を着ている人が多いですが、基本的には自由で、喪服を着ている人はほぼいないと言われます。
ミサは1時間ほどで終了し、参列者は棺を乗せた車について墓地へ向かい、土葬することが多いそうです。墓地では予め穴が掘ってあり、葬儀社の方が棺を中に入れ埋めます。
カトリックの洗礼を受けていない人はご先祖の教会墓地に入ることは出来ず、共同墓地に入ることになります。
また昨今では、クレマサォンと言われる火葬を望む人が多く、火葬をしてロッカー式の納骨所に入るケースが増加傾向にあるそうです。
たくさんの花を手向けて大切な人を送り出すポルトガルのお葬式。
故人やそのご家族に敬意を表すという風習は素晴らしく、これからも末永く続くことを心から願います。