世界各国のお葬式にまつわるしきたり、風習をご紹介するコラム。
今回は、モンゴルのお葬式についてご紹介します。
モンゴルは、仏教の原点に近いチベット仏教の影響を受けており「輪廻転生」を強く信じているといわれます。
こうした背景からか、モンゴルでは古くから「風葬」というお葬式の手法があります。風葬は、ご遺体を放置して猛禽類などに食べてもらうというものです。
はじめて知る方はびっくりされるかもしれませんが、これはモンゴルの人々にとって、ご遺体を自然に帰すための理にかなった方法と考えられています。
風葬は、ご遺体を3日ほど安置した後、布に巻いて馬車に乗せ、山に向かいます。人里離れたところで、馬車から自然にご遺体が滑り落ちるように荷台を調整し、ご遺体が落ちたところで馬車をとめ、お経をあげるそうです。
この落ちたところがその人の帰る場所だと言われているのです。
そして7日後に、ご遺族がその場所へご遺体を確認に行き、ご遺体が綺麗になくなっていれば、故人は安らかに成仏されたと思うそうです。
そして昨今のモンゴルでは、風葬に変わり「土葬」することが一般的になってきました。
墓地の土を掘って棺を入れ、土をかけた後、刻印した石を置くことが多いようです。大多数のハルハ族は、住まいより遠い場所にお墓を作り、両親がなくなった場合は3年間お参りできないというしきたりがあるそうです。
また最近では、徐々に「火葬」も増えてきていいるようです。郊外には立派な火葬場が建設され、多くの僧侶がお経をあげる光景がみられるようです。
伝統的な風葬から、土葬、そして火葬へ。モンゴルのお葬式も大きく変化を遂げているようです。