ルーマニアは、東ヨーロッパのバルカン半島東部に位置する共和制国家で人口は約1,903万人、面積は日本の本州とほぼ同じ大きさといわれます。
公用語はルーマニア語で通貨はルーマニア・レウです。
宗教は、人口の約81%がルーマニア正教で、プロテスタントが約6. 2%、カトリックが5.1%となっています。
今回は、ルーマニアで最も多いルーマニア正教のお葬式の風習についてご紹介します。
ルーマニア正教のお葬式は、厳粛な風習のもと行われることが一般的です。
葬送のときは、家の窓や扉を開け、水が入っている瓶にはすべて蓋をします。
そしてご遺体を水で洗います。洗い終えた水は人が近づかない所に捨てます。
ご遺体が男性の場合はひげを剃り、女性の場合は髪をとかします。
そして、両足をハンカチで結び、足を出口の方向に向け、テーブルに仰向けに寝かせ、手にはキャンドルを持たせます。この際、部屋中の鏡を裏向きにするそうです。ルーマニアはドラキュラ発祥の地とされており、棺桶はドラキュラが寝床にするような細長い五角形の形をしています。
通夜は3日間行われ、多くの村人が参加し、ゲームなどをしてご遺族の悲しみを和らげるそうです。
お葬式は通夜の翌日に行われ、教会の朗唱師が故人の立場になって村人やご遺族へお別れの歌を歌います。そして参列者は全員、弔いのパンを食べるそうです。ご遺体はお葬式の後、土葬されます。参列者は必ず教会まで来た道と同じ道を通って帰ります。
お墓には様々な形がありますが、ルーマニアのマラムレシュ地方にあるサプンツァ村には墓標がカラフルでユニークな「陽気な墓」と呼ばれるお墓があり、有名な観光地として知られています。
独自の風習が根付いているルーマニア正教のお葬式。
なかでもお葬式の時にゲームをして笑わせたり喜ばせたりするのは珍しい印象を持ちました。
ルーマニアでは、古くから誰でも平等に訪れる死に囚われずに、「生きることを思う存分楽しみながら満喫しよう」という考え方があります。
そして大切な人が亡くなったとき、「死んでしまった」と嘆くのではなく「生きていた」ということを大事にし続けていくことが何よりの供養だと考えるそうです。
とても素敵な考え方で、これからも長く続いていくことを願います。