世界各国のお葬式にまつわるしきたり、風習をご紹介するコラム。
今回は、北欧の国フィンランドのお葬式についてご紹介します。
フィンランド ヘルシンキ大聖堂 首都ヘルシンキのシンボルとなっている教会
フィンランドは、北ヨーロッパに位置する共和制国家で、人口は約555万人、面積は日本よりやや小さいと言われます。
公用語はフィンランド語、スウェーデン語で、通貨はユーロ。
宗教は、人口の78%がルーテル教会に所属しているそうです。
フィンランドのお葬式は、近くの教会で2週間後の午前中に行われるのが一般的です。
その間、ご遺体は病院の霊安室に安置されます。
死後から時間が経過してしまうため、お葬式の最中に棺を開けて故人の顔を見ることはできないそうです。
服装は基本的に自由とされていますが、多くの黒色のスーツやワンピースなどを着用します。
フィンランド・ヘルシンキ ヒエタニエミ墓地 観光地としても知られる美しい墓地
お葬式では、花を棺の上やまわりに供える時間があります。参列者は花束とカードを持参し、
一人または一組ずつ花を添えに前に出て行きます。
このとき、カードに書いてあるメッセージを各自がみんなの前で読むそうです。
最後に牧師さんからのお話があり、賛美歌を歌ってミサが終了します。
土葬の場合は棺を台車に乗せて墓地へ運び、棺とともに花を投げ入れて埋葬します。
その後、教会の近くにある会館へ移動し、
参列者や牧師さんと共に食事をして故人を偲びます。
この時は、久しぶりに会った親族や友人と近況を話す、明るい雰囲気の会になるようです。
フィンランド 教会に隣接する会館。偲ぶ会が行われる場所
火葬の場合は、お葬式の後に故人を偲ぶ会を行います。
火葬場へは後日、家族のみが訪れ、雪が溶けた頃に墓地に埋葬するそうです。
寒さが厳しい国らしい風習が根付いているフィンランドのお葬式。
参列者が心を込めてメッセージカードを読み上げることはとても素晴らしく、これからも末永く続くことを心から願います。