世界各国のお葬式にまつわるしきたり、風習をご紹介するコラム。
今回はヨーロッパの国、ブルガリアのお葬式についてご紹介します。
東南ヨーロッパに位置し、北にルーマニア、西にセルビア、北にマケドニア、南にギリシャ、トルコと隣接し、東は黒海に面している共和制国家、ブルガリア。
人口は約652万人、面積は日本のおよそ3分の1と言われています。
首都はソフィア、公用語はブルガリア語で通貨はレフ。宗教は人口の82%がブルガリア正教会になります。
ブルガリアは、以前ご紹介したルーマニア同様、厳格なしきたりが受け継がれていると言われています。
ブルガリア アレクサンドル・ネフスキー大聖堂
ブルガリア正教会を代表する著名な大聖堂
お葬式は一般的に自宅で行われます。故人は、その方の気持ちに寄り添った衣装で送り出すのが特徴的です。
例えば独身者なら結婚式の服を着せることもあるそうです。そして新しい靴を履かせるようにします。
また、自宅から棺を出す時は、足から出すしきたりがあるそうです。
ブルガリア 聖ニコラエ教会の墓地
参列者は黒やダークな色の服装で訪れ、外で渡された花を棺の上に順番においていきます。
自宅の外には棺のふたがたてかけられ、儀式が終わるとふたが閉められて十字架とともに車で墓地へと運ばれます。
埋葬は土葬が一般的で、埋葬時には、旅立ちの儀式としてワインやお菓子が振る舞われます。
ブルガリア 聖ニコラエ教会の墓地 造花の飾りをあしらったお墓
一部の地域では顔写真をつけた墓石や造花の飾りをあしらったお墓などが見られるそうです。
ブルガリア 聖ニコラエ教会の外観
ブラジョフにあるルーマニア正教会の聖堂
こじんまりしていますが内部の古美術品やフレスコ画が特徴的な観光スポット
独自のしきたりを後世へと受け継いでいるブルガリアのお葬式。これからも末永く続くことを心から願います。