お葬式コラム

居住地で葬儀場が決まるお葬式…世界のお葬式事情(キューバ編)

風習
- 2023.10.01(日)

キューバは人口約1,100万人の、カリブに浮かぶ島国です。

気候は亜熱帯で熱帯性の動植物が生育し、住民は多種多様な人種が混在することで、独特の雰囲気を醸し出しています。

 

1492年にコロンブスがキューバに来島し、以降はスペイン、アメリカの保護下にありましたが、1959年にキューバ革命が勃発。1961年に社会主義宣言がなされました。

革命以前はカトリック教徒がマジョリティでしたが、自由が認められるようになった現在では、約5割が無宗教と言われています。

お葬式については、国によって全ての人が平等に、格安で簡素な葬送を行えるようになりましたが、墓地や葬儀場はあまり自由に選べないものになりました。

 

キューバでは、居住地域により葬儀場と墓地が決められています。

不幸があると、決められた葬儀場で最後のお別れからミサ、そして埋葬と比較的短時間に行われるそうです。

亜熱帯という気候の影響か、朝亡くなられると夕方には埋葬、というケースも少なくありません。

また、葬儀場で通夜が行われることもあり、親族や親しい友人達が集まり、棺のガラス越しに故人を眺め、お別れを告げながら皆で語り合い、朝を迎えます。

 

またキューバでは、ご遺体の埋葬費用は無料となっているそうです。

埋葬は基本的に土葬で、日本のように厳粛に弔われますが、約2年が経つとご遺体を取り出し、小さな壺に入れて共同の区画に埋葬されることが多いようです。

 

キューバの首都、バハマではコロン墓地と呼ばれる広大な墓地があり、国内外から多くの人が訪れる観光スポットとして知られています。

ここにはキューバの政治家や文化人、スポーツ選手など、著名人が多く眠っているそうです。

墓石や十字架が整然と佇む敷地は様式美が感じられ、1964年に建てられた日系人慰霊堂には今も多くの日本人が慰霊に訪れるそうです。

 

日本とはまた様相が異なるキューバのお葬式。

その社会的背景や独自のスタイルを知ることは、大変感慨深いものです。