チベットでは、「塔葬」、「火葬」、「天葬」、「土葬」、「水葬」の5つの方法で埋葬が行われるそうです。
この5つのなかで最も名誉とされるのが「塔葬」です。
塔葬とは、ご遺体に塩をかけて乾燥させたあとに霊塔に安置されます。ダライ・ラマやパンチェン・ラマといった一部の法王や生き仏だけがこの塔葬で埋葬されるそうです。
次に、高位高官や高僧が亡くなると行われるのが「火葬」です。
火葬の際には、僧侶に経を唱えてもらい、ご遺体をバターや油で燃やします。
遺骨や遺灰は、高い山の上や大きな川に散骨するのが一般的ですが、位の高い僧侶の場合は土と遺骨・遺灰を混ぜて、仏塔の中に供えることもあるそうです。
「天葬」は、「鳥葬」とも言われ、ご遺体をハゲワシなどの鳥に食べさせるという手法です。一見残酷なように思いますが、鳥にエサを与えることで人を自然に還す方法として、古くから信じられているそうです。
「土葬」は、一般的に強盗や殺人、感染病などで亡くなった場合、あるいは交通事故、自殺によって亡くなった場合に行われる手法です。チベットでは、土葬された人間の魂は土にかえり、成仏できないとされているため、土葬はあまり良い方法ではないと考えられているそうです。
最後に「水葬」。チベットではあまり一般的ではなく、ハゲワシなどが飛来しない地域で行われることが多いそうです。水葬は魚に捧げるという考え方があるため、この地のチベットの人々は魚を食べない習慣が今でもあるそうです。
チベットの伝統的な埋葬方法には驚きもありますが、死者を弔う気持ちに変わりはなく、古来より大切にされている文化を後世に引き継いで欲しいものです。