今まで日本の各地域の風習をご紹介いたしましたが、今回からは日本を飛び越えて、世界のお葬式事情をご紹介いたします。世界のお葬式もそれぞれの文化や風習がありますが、共通しているのはあたたかい人柄を垣間見ることができます。これからも是非八光殿のお葬式コラムをお楽しみください。
今回は、「台湾のお葬式」についてご紹介します。
お隣の国、台湾は中国文化が色濃く残っていることから、日本のお葬式とは異なる点が多々ありますのでご紹介いたします。
「葬儀の期間が日本よりも遥かに長い」
台湾の伝統的な葬儀の場合は、1週間以上行うことが多く、長ければ2ヶ月、3ヶ月になることがあります。ただし日本と同様、お葬式をあげるのは1日だけ。それ以外の期間は、「親族と故人とのお別れの時間」という捉え方をし、それを含めて葬儀と考えているそうです。
なぜそれほど葬儀の期間が長いのでしょうか。
台湾では、結婚式や葬儀、引越しなどについて「農民暦」という、何月何日は何をするのが最適な日か、などを細かく記した本があり、それを参考にお葬式の日程を決めるそうです。もし、最適な日が2週間後になる場合は、それまでお葬式が行われない、ということもあるようです。
「服装のルールも台湾独特」
台湾では、赤い色はお祝い事などの時に身につける色とされているため、葬儀の際はマナー違反とされますが、80歳以降に亡くなった方は、人生を全うした、とても良い人生だと考えられているため、葬儀の際に赤い服やアクセサリーを着用してもOKだということです。
さらに、一般的なお葬式の場合は、白い封筒に包んで香典を渡すのですが、80歳以降に亡くなった方の場合は、白い封筒に包んで香典を渡すのはタブーとされ、お正月やお祝い事で渡す「紅包」という赤い封筒に入れて香典を渡すそうです。
故人の年齢もしっかり確認する必要がありそうですね。
「台湾の死後に対する考え方について」
日本では人が亡くなると天国や地獄に行く、と考えられますが、台湾では、人が亡くなると「土の中に帰る」と考えられるそうです。台湾では一般的に土葬が行われている関係から、このように考えられているのではないかと言われており、昨今では火葬が増えましたが、今も地域によっては土葬をすることもあるようです。
ご親族など、長い時間をかけて故人とお別れされることは、故人をとても大切に思う心温まる風習です。今後も末長く続いて欲しいものです。